朝から最高のパフォーマンスを発揮するために

朝から最高のパフォーマンスを発揮するために

現役世代でバリバリ仕事をされ、さらにもっと成長し続けたいとお考えの方々へ「朝から最高のパフォーマンスを発揮するために」という視点でご自身のパフォーマンスアップにつながる自宅での暮らしについて考えてみたいと思います。

個人差はありますが、人は人生の約7割の時間を睡眠も含めて住宅内で過ごしています。平日の仕事でパフォーマンスを発揮するためには、この住宅内で過ごす時間の質がポイントです。

 

仕事でハイパフォーマンスを発揮するための住宅のポイント

ハイパフォーマンスを発揮するための住宅ポイント
平日の仕事でハイパフォーマンスを発揮するためには帰宅後の「心身共に疲れを癒すこと」と翌朝の「フレッシュアップ」という心身の起動を上手くできるかがポイントです。これを実現する住宅の工夫すべき箇所はいくつもありますが代表的なものとして

  1. ストレスフリーのお帰り動線:帰宅時の一連の流れが本人スタイルの効率的な「一筆描き動線」で「動線の中に収納が組み込まれた機能空間」で構成されている設え。
  2. ダイニング:おいしい食事をよりおいしく楽しく演出するダイニングの設え。
  3. くつろぎタイムを過ごす場の設え:主としてリビング、あるいは書斎/ホビールーム。
  4. 風呂と洗面化粧室/エステルーム/トイレのなどの水回りに求める機能と設え。
  5. 寝室のタイプと設え:入眠から目覚めまでの快適睡眠プロセスを生み出す寝室の工夫。

等があります。
かなり領域が広いので先ずここでは「寝室での睡眠と朝のフレッシュアップ」について取り上げます。

質の高い睡眠を生むための「寝室の環境制御」

質の高い睡眠を生む寝室環境
寝室のプランは寝室を夫婦で1つとするのか、あるいはそれぞれ個室にするのか。一室であっても夫婦が離れた空間とするのか。寝床はベッドなのか畳と布団なのかというように寝室形式は様々です。

タイプは違っても重要なことは質の高い睡眠が得られるのかという下記の点につて十分に配慮することが求められます。

〈寝室の5つの環境制御〉

  1. 自然光と照明の光の環境制御
  2. 音の環境制御(遮音と吸音)
  3. 温熱環境と空気環境の制御
  4. 色彩環境制御
  5. 香りの環境制御

とかなりの要素がありますのでここでは「光と音の環境制御」に絞って「睡眠の質」の向上を考えます。

寝室の遮音と吸音

寝室の遮音と吸音
音の問題は睡眠に大きな影響を与えます。屋外の騒音レベルを少なくとも「夜間の住宅地の静かな公園の暗騒音」程度の静けさまで引き下げる必要があります。仮に住宅が幹線道路の交差点脇にあったとすれば「大型バスが交差点から発進する際の騒音」レベルからの引き下げを実現することを意味します。寝室の音の環境を「85dbから45db」まで引き上げる必要がありサッシの遮音性能は最高等級のT-4クラスを採用し、採光を考慮しつつも窓面積を小さくするなどの遮音対策を施します。壁などに遮音材の採用も考慮します。屋内の他の部屋からの音の侵入を考慮して間仕切り壁にも吸音材を兼ねて吸音性の高い種類の断熱材を施工します。さらに音への神経質さに応じて防音ドアも寝室ドアに採用する場合もあります。

寝室内の反響、残響音は睡眠を妨げますので吸音性の高い床仕上げとして毛足の長いカーペットの採用、天井材に吸音タイプの天井材を採用します。寝室の音の環境の整え方一つで良質な睡眠で疲れを一晩で回復させて翌朝からハイパフォーマンスを発揮できるかどうかという大きな差が生じます。

明るさと色温度の制御

入眠前の読書等の照明は明るさ(照度)の調整はもちろんですが「色温度」の調整もします。集中力が高まる青白い光(色温度5000~6000k)を避け、柔らかいアンバー色のあかり(色温度2000~3000k)の方が良いでしょう。

一方で朝陽を浴びながら目覚めるとよい目覚めになりますから寝室の方位も設計上配慮しますが自然光は季節変動が大きく自然光の採光だけでは「目覚めたい時刻に良い目覚めの光環境を生み出すことは難しい」と思います。お目覚め時刻に照明の照度とともに色温度を2000~4000k位へ徐々に上げて行くというタイマーとセットした照明も朝の爽やかな目覚めには有効です。
明るさと色温度の制御

目覚めたら朝の「Active Health Method」でストレッチ&軽運動

朝のActive Health Method
Active Health Method「モーニングセッション」で体各部の関節と筋肉を動かして徐々に体と心を目覚めさせましょう。朝の忙しい中でも短い10分間という時間で効率的で効果的な理論的に裏付けられた軽運動で朝からハイパフォーマンスを発揮するための「フレッシュアップ」を行います。

タタミ1~2畳のフレッシュアップスペースを寝室に確保

Active Health Method「モーニングセッション」を行うにはタタミ1畳分のスペースで十分ですが腕を大きく動かすなどのActive Health Methodの他のセッションのためには2畳分のスペースがあればなお良いと思います。床の仕上材は吸音を考慮してカーペットなどのやわらかい素材で仕上げているのであれば床で直接「モーニングセッション」を行っても問題はありません。

「わずかな運動スペースの確保」と「たった10分間」で「朝からハイパフォーマンス」を発揮する準備ができます。

「モーニングセッション」からお出かけまで

モーニングセッションからお出かけまで
起きてからお出かけまでの朝のルーチンワークが「引っかかる」と一日のリズムが狂いがちです。トイレ、洗面、着替え、朝食など朝のルーチンワークがスムーズに行えるよう住宅設計は「生活トレース」に基づいて行うのが良い設計です。

まとめ

仕事でハイパフォーマンスを発揮
バリバリ現役で仕事をされ、さらにもっと成長し続けたいとお考えの方々へ「朝から最高のパフォーマンスを発揮するために」という視点で住まいのあり方についてほんの一部ですが考えてみました。いかがだったでしょうか。

前日の「お帰り動線」から翌朝の「お出かけ動線」までをストレスフリーな動線と収納となるように配置を適切に行い、質の高い睡眠で疲れをとって、良い目覚めと朝のフレッシュアップ、Active Health Method「モーニングセッション」が出来れば「朝からハイパフォーマンス」で活躍できると思います。

《執筆者》
一般財団法人 日本ヘルスケア財団
代表理事 松尾俊朗
一級建築士

Active Health Methodの紹介はこちら