アクティブにハードに仕事をこなす企業の中核を担っておられる方々の日常生活は、残念ながら「健康的な暮らし」からほど遠い位置にあると思います。多くの方々は健康志向で何らかの対策を講じているものの、実生活は遥かにこれを上回るほどハードで「健康的な暮らし」からは、日々遠ざかって行くのが実情だと思います。
日常のハードさに加えて「休日」こそ「本来の仕事を行える」という、休日に対する考え方が、いつのまにか「仕事視点の眼差し」へ置き換えているようになってしまいがちです。実はこうした状況はニューヨークの「出来るビジネスマン」「優秀なエクゼクティブ」ほど、そういう傾向が強いと以前ニューヨークに行った際に直接お聴きしました。
ワークホリックになりたくなくても、そうならざるを得ないが、それを楽しんでいる風もあります。
そうでないと成功するビジネスエクゼクティブにはなれないという世界です。
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「健康というワード」からほど遠い「ハードワークの実態」
恥ずかしながらサンプルとして私の7月のある日の行動を記します。
朝4時30分に目覚ましが鳴り、全身重く固まった体で、しかも腰に痛みも覚えながらも、無理やりベッドから這い出て、10分間のActive Health Methodの軽運動兼ストレッチを行って、どうにか「今日も何とかハードワークをこなせそうかな」と思いつつ一連の朝の行事を済ませ食卓へ。内臓が目覚めていないため朝食を摂るのは無理。だからと妻の「特製スムージー」を「遅効性の毒を盛られていてもわからないな」と密かに思いながら、妻への感謝の眼差しで飲み干してから歯を磨きに再度洗面へ。6枚刃のシェーバーを動かしながら、鏡に映った自分の疲れた表情に、自身で同情の念を持ちながら、目立ってきた顔のシミ対策の気休めに「HAKU」を塗り、当財団の会長からいただいたシミ消し用のファンデーションを横目で見ながら「時間が無いから」と自分を納得させて「男の化粧」はせずに終了。ネクタイを締めて戦闘モード一歩手前のスタンバイモードをON。自宅を車で5時10分に出発。
関空に6時過ぎに滑り込んで6時35分発のANA(正確にはSFJ)3820便で羽田へ。新橋で9時から会議。会議は会議でも一向に進展しないストレス満載の会議、12時から会議出席者と「改革が出来ない理由」と「愚痴」を「聴かされることが主目的」のストレス増進の昼食。車で新宿へ移動。
13時30分から新宿の高層ビルで、プレゼンテーション。その後は堂々巡りの大世帯会議(200数十名という多人数で「会議」ができるとは思えないが)。着席(椅子が固くて腰に厳しい)後、高所恐怖症と戦いながら下界を見下ろす「ゴジラ目線」で、「同じ話の繰り返し」の「雑音」を聴きながら真夏の東京の街を眺め、アンニュイな気分に浸っていると「ところで松尾さんはどう思われますか?」といきなり話をふられたから、「A案で実行に移しましょう」と問題先送りしたい方々の思惑を粉砕して収束方向へ。永遠に続けるつもりなのかと思った会議も3回の休憩を挟んでようやく16時30分に終了。
帰路に就こうとしたところ「せっかくですから」と懇親会へと拉致され強制連行。入れ代わり立ち代わり「挨拶」に来られた方々の同じよう話を聴く根気も、名刺入れの名刺の在庫も切れたので、一次会が終わって万歳三唱(なぜ万歳なんでしょうか)して帰ろうとすると、「予約していますから」と銀座のクラブへ、はたまた拉致され強制移送。「明日朝から大阪で仕事があるから」と「香水ムンムン」のクラブラウンジから美女たちを振り切って(後ろ髪を引かれながら)30分で切り上げて羽田へ。21時30分発のANA(SFJ)3829便で関空へ。早朝便と最終便はプレミアムクラスが無いので座席が狭くここでも身体的「修業」を強いられます。
帰宅は深夜0時。上着についた、いくつかの「ピンクの羽根」を指でつまみながら、妻はさげすんだ目で私を見て、「随分楽しそうなところへ行ってらしたのね」と言うのを聞き流して風呂へ。腰から肩を中心に凝り固った体は入浴後も「復活せず」明日の朝5時に起きてフィットネスジムに行こうかなあと思いながら午前1時30分に就寝。就寝前のActive Health Methodの軽運動はできずに寝落ち。これが私の日常のある日の実態です。
隙間の時間は上手に使えないのか
先ずは軽い運動がしたいのですが、スキマの時間を工夫して健康に留意してはどうかいう話しもあります。果たしてそうなのか。車での移動時間は打ち合わせの時間、往路の機内は、プレゼン準備の確認などの次の会議の準備、帰路の機内はその日の記録確認と、それに基づく指示を発信と次の日の準備というように、結構目の前の仕事で忙しく「束の間」が無い状態です。むしろ隙間の時間は、確実に「確保可能な時間」ですから、事前の計画に織り込み済みというのが本当のところ。
機内や新幹線内で周囲に気づかれないようにストレッチ
移動中も貴重なワーキングタイムですが、ちょっとした心身のリフレッシュのためにストレッチをしたいものです。新幹線のグリーン席は週末の夜の時間帯を除いては、隣の席は大抵の場合は空いていますので、上体を動かす程度の運動は多少はできます。国内線の機内でもANAのプレミアムクラス(JALならファーストクラス)なら座席周りは比較的広いので多少は動かせますが、早朝から最終便まで、概ね隣の席は埋まっていますので運動的なことはできず腕などのストレッチ程度。トイレに立った時などは、乗客のいない通路やデッキ、機内でもトイレ近くのドア前やギャレーあたりのわずかなスペースで、他のお客様や乗務員のお邪魔にならないように若干のストレッチはできます。とはいってもごくわずかな時間と限られた部位のストレッチです。
持続可能な心身の健康と仕事時のパワー全開能力を確保できるのか
「空いた時間でストレッチや軽い運動」という甘い考え方では、実現性は乏しくだめなようです。「Active Health Method」を「仕事の一部としてスケジュールに組み込む」必要があります。心身ともにリフレッシュするためのこれから戦闘モードに入る前の10分間、帰宅後の休息モードに入る段階の10分間に「仕事の一環として『Active Health Method』を組み込み適切に体を動かす」ことにしないと、うまく運用できないということを身をもって実証、実感しました。「Active Health Method」は実行すれば効果があることも分かっています。仕事の一つのコンテンツとしてスケジュールに組み込みましょう。
「仕事時のパワーの立ち上がり」と「休息の質を高める効果」
「Active Health Method」を実行してからの場合とそうでない場合について、体験的には明かに仕事開始時のパワーの立ち上がりに差があります。同じように帰宅後においても「Active Health Method」で軽い運動(運動というよりは体を緩める軽いストレッチと考えた方が良い)を行って固まってしまった体と心を緩めてから休んだ方が、明らかに翌朝の疲れの取れ方が違います。経験値的な感覚の話しだけで申し訳ないのですが「実感」しています。心身のケアに軽い運動は有効ですが、これをどう実践するのかは「仕事として組み込む」ことがポイントだと思います。完全な仕事人間的発想ですが、そうでもしないと上記の過酷な日常では「Active Health Method」は使える「OFF時間が無く」宝の持ち腐れになってしまいますので。
疲れた体と心の緊張を緩める
心身ともに過度なストレスにさらされているエクゼクティブ、ビジネスマンの日常では如何に心身の緊張を緩めるのか、力を抜くのかというのが疲労回復とパワー全開の毎日が可能というような日常につながると思います。
そういう時間を「仕事に組み込んで時間を確保」してください。10分間という時間であれば組み込むことも何とか可能だと思いますし、継続可能な時間の長さだと思います。
理論に裏付けられた「Active Health Method」の効果的な運動
10分間のスマホに収めた動画で正しい運動として「Active Health Method」を活用してください。
軽すぎるくらい軽い運動で「えっ、これだけでいいの?」という感覚ですが後から体の芯が暖まるような感覚が得られるのも「Active Health Method」の特徴です。気持ち的にも仕事へのモチベ―ションは明らかに上がって仕事開始時に、いきなり「脳力パワー全開」に持って行くことができると思います。
まとめ
忙しいエクゼクティブやNEXTエクゼクティブのビジネスマンにとって、ちょっと息抜き可能な隙間の時間さえ仕事が付きまとい、仕事に追われる前に、仕事を追いまわしているはずです。かといってエクゼクティブやNEXTエクゼクティブのビジネスマンと言えども、心身ともに「普通の人間」がベースですから、疲労は蓄積します。それを押しのけて「高い脳力」とモチベーションで、何とか仕事をこなされていることと思います。より高いレベルで継続してパワー全開で仕事をこなすためには「心身の緊張を緩めて新たなパワーを発揮」する時間確保と、その短時間内で効果的な運動を組み合わせてください。
《執筆者》
一般財団法人 日本ヘルスケア財団
代表理事 松尾俊朗
一級建築士