エグゼクティブと健康 現役社長が語る<上>

松尾俊朗理事長にロングインタビューを行いました。
当財団ではエグゼクティブの方々のヘルスケアに注目していますが、イメージとするエグゼクティブパーソンは、まさに理事長その方です。60歳台後半とのことですが、現役バリバリ、今も代表として会社を牽引し、意欲的に日々の仕事をこなしておられます。
エグゼクティブと健康について、日常生活、プライベート、目指すべき次のステージについて、そして当財団が提唱する ”心(Mind)と身体(Boby)と見た目(Looks)“ についても、ご自身の経験を踏まえた興味深いお話を聞くことができました。
3回シリーズに分けてお届けします。

2022年1月22日
インタビュアー:日本ヘルスケア財団 会長 大石華法

 

エグゼクティブのリアルな日常

エグゼクティブの日常は無駄なく効率よく

エグゼクティブの日常
Question
エグゼクティブとして忙しい毎日を送っておられる理事長の日常の過ごし方について教えてください。

 

毎朝5時10分に起床。起きぬけに当財団推奨のActive Health Methodで10分間のストレッチを行います。この10分が寝ていた身体を甦らせ、これから始まる一日への準備体操の役割を担います。短い時間ですが、これ以上長いと負担になるので朝の貴重な10分をいかに効率よく過ごせるかがポイント。その点でActive Health Methodは、最低限で最大限のパフォーマンスを引き出してくれる強い味方と感じています。
身支度を整え、道路が混雑する前の6時までには自宅を出てスポーツジムに向かいます。車で約15分なのですが、ジムに着いてから着替える時間を節約するために自宅からジムのウェアを着て移動します。ただ、スーツやシューズなどもあるので、ジムに行くときはやたらと荷物が多いですね(笑)。
ジムでは主に一通りのマシンを使って、筋トレを行っています。準備体操としてのストレッチは自宅で済ませてきているので、すぐにトレーニングができて時間短縮になります。有酸素運動とお風呂を含めて約1時間強を早朝のジムで過ごし、8時には仕事に向かいます。

一日一食でも構わない

朝は胃が活動していないので、スムージーで済ませます。昼食はクライアントと一緒にとる場合がほとんどなので、基本的に先方に合わせます。クライアントの中には、ボリューム満点の食事を供してくださる方もおられます。有難いことなので残さずいただくようにしていますが、しばしばカロリーオーバーになりがちです。コントロールできない昼食の代わりに、夕食は果物程度で済ますことが多いです。この年齢になると、一日二食でも太ってしまいそうで、一日一食が適当なのではと感じてきています。

体調のリズムを知りコントロール

体調リズムのコントロール
12時前には寝るようにしているので、5時間は睡眠をとれています。それで充分と感じていますが、時に疲れや体調が悪いと感じる時があります。その場合は、この先1週間の行動パターンを考慮して、体調の予測をたてて行動をコントロールするようにしています。そうすることで、大きな体調の崩れに繋がらずに済んでいます。
体調管理には常に気を使い、コントロールできるよう早い目に対処するようにしています。

経営者としての仕事は週末に

週末も、基本的に仕事のことを考えています。平日は、どうしても社内外のコミュニケーションや目の前の業務に時間をとられ、本来の経営者の役割である長期ビジョンをゆっくり考えている暇がありません。したがって、時間のある週末にじっくりと考えを巡らせることになります。この時間は私にとって大変に重要で、未来を予測しながら様々なことを考えてみています。

健康管理は次のステージへの準備

次のステージに向けた健康管理
Question
たいへんストイックな自己管理をしておられるのですね。多忙なエグゼクティブの健康管理については、どのような考えをおもちでしょうか。

 

私は現在68歳ですが、今は70歳台という次のステージをパワフルに元気に迎えるための準備期間と捉えています。放っておけば間違いなく体力・気力は衰えますし、障害が起こってからでは遅いのです。そのためにも、朝の1時間半のトレーニングを続けています。これをしないと年齢に押し負けてしまいそうなので(笑)。
でも年齢に抵抗するのではなく、年齢が高くなった分、それを利点として伝えつつも、一方で年齢差を感じさせない同じ仲間と思わせることのできる人でいられるよう頑張っていかなければと思います。

やる気アピールは見た目(Looks)の若々しさから

現在、おおよそ何処の場所に行っても私は最年長です。しかし、クライアントに対しては大御所的な存在ではなく、若い経営者とも常に同じレベルで考え一緒に走れる存在であり続けなければなりません。
社内も同じで、皆の先頭に立つ経営者は誰よりも元気でパワフルでなければならないのです。たとえZOOMでっても同じです。例えば、加齢により頬にシミができてしまったら、これはマイナスです。自分のやる気を他人にアピールするためには、年齢を感じさせる要因はできるかぎり排除し、若々しさを保つことが肝要と思っています。
要するに、お爺さんはダメなのです(笑)。ですので、ドレスコードやネクタイの色にも人一倍気をつかっているつもりです。

自分が求められる役割を見極めろ!

一方、経験知を伝えるという意味では年齢なりの蓄積は役立ちますので、自分の年代を正直に伝えることも時には必要です。とはいえ、単なる監督者になってしまっては魅力がありません。
相手がやる気みなぎる若手経営者の場合は、彼らと同じ目線で一緒に走るスタンスが必要ですが、時に年長者として経験知を提供する場合もあります。相手と場面によって自分の見せ方、出し方を変える工夫が必要です。
要は自分が相手から何を求められているのか、立場が何であるかを見極めることが大切です。いずれにせよ、自分が時代からズレた老人になってしまっていては、始まりません。

常に次のステージを準備しろ!

以前に在籍していた会社の上司から「おはよう」が、ポジションを示すという話を聞かせてもらったことがあります。組織では「おはよう」も、単なる挨拶ではないというのです。部長の「おはよう」は、今日もこの人についていこうと思わせる「おはよう」。専務の「おはよう」は、この人は全て解っていて安心して働けると思わせる「おはよう」でなければならないとのこと。ポジションに応じた「おはよう」が自然に身についた人になっていかなければ、次なる向上は見込めないというものでした。要は、常に次のステージを準備しろという意味です。

NEXTエグゼクティブとは

NEXTエグゼクティブとは?
Question
当財団では、エグゼクティブと並んで、その予備軍である「NEXTエグゼクティブ」にも関心を寄せています。次のステージの準備というと、まさにNEXTエグゼクティブにも通じるメッセージですね。

ネクストステージを迎える体制づくり

その通りです。つまり、人は年齢なり社会的地位なりが上がることに合わせて、次のステージを見据えて準備しろということです。この気づきは、どんな分野のNEXTエグゼクティブにとっても指針になるのではないでしょうか。
NEXTエグゼクティブの方々は、きっとこれまでガムシャラに走り成功への道を辿ってこられたことと思います。もちろん、この先も自分の軸はずらさず、相手におもねる必要もないと思います。

<続く>