住環境は仕事で高パフォーマンスを発揮する前提条件

住環境は仕事でハイパフォーマンスを発揮する前提条件

仕事で高パフォーマンスを発揮するためには住環境、特に「温熱環境」と「空気環境」は心身を休めるだけではなく健康を維持し、よりパワーアップするためには重要な要素です。
特に仕事のキャリアを積み、実績を上げて責任あるポジションに着く年代は「そろそろ体もガタつく年代」でもあります。夏暑く、冬寒いような温熱環境の住宅では疲れが取れにくいだけではなく、様々な負担が身体に掛かり思わぬ病気を患ったりします。また、体に取り入れる物質の総量の内、重量比で約8割は空気です。水や食品などには有害物質が入っていないかなどチェックしていますが、空気については現在コロナでマスク程度のフィルタリングはしていますが、浄化するなど空気の質を整えることなく吸い込んでいます。実感はないでしょうが、バリバリ働く現役世代が過ごす時間の約7割は自宅です。この自宅の温熱環境と空気環境の善し悪しは、仕事でのパフォーマンス発揮の前提となる健康そのものにも大きく影響します。
 

仕事でのハイパフォーマンス支える住宅のポイント-3

ハイパフォーマンスを支える住宅のポイント
住宅の温熱環境と空気環境について考えてみましょう。
先ず、住宅の「温熱環境」については、冬場の室内の温度差による「ヒートショック」が大きな問題です。風呂に入ろうとして暖かいリビングから出て、寒い脱衣室で裸になったときなどに起こる問題です。脳血管や心臓に大きな負担がかかり障害が急激に生じ倒れる場合があります。
一方、「空気環境」は夏、冬の冷暖房時の換気不足から生じ、ボディーブローのように効いて来て、喘息などに悩まされることがあります。現役世代の方が一般に考える以上に住宅内で過ごす時間が1週間単位で考えると約7割と長いために、この「温熱環境」と「空気環境」は直接健康にかかわるだけに重要です。

新築、リフォーム時には「高性能住宅化」することがお勧め

リフォーム時には高性能住宅化がお勧め
住宅の温熱環境性能については全国を北から南まで8地域に区分して性能基準が示されています。断熱等性能等級5~1等級まで分かれており数字が大きいほど性能が高いということになります。さらに別の基準でG2、G3というさらに上の性能もあり、出来ればG2以上の性能にしたいものです。このくらいの温熱環境が手に入ると「水平温度差がほとんどない」ためリビングと脱衣室の温度差が無いに等しい状態になり、ヒートショックを受けることはありません。また、「上下温度差もほどんどなく」1階の床面付近の温度と2階の天井付近の温度差も殆どない状態です。「時間温度差もほとんどなく」日中と明け方の温度差もあまり感じれれないという「常春の室内環境」を四季を通じで省エネで過ごすことができます。

あまり知られていないメリットとしてこのレベルの住宅においては、収納の温熱環境を配慮した配置計画の工夫は必要ですが、収納した布団がいつもふんわりした状態になっていますので、そういう生活面でも快適です。また、このような高性能な住宅の環境においては、家人がプライバシー確保以外の時には室内の「ドアを閉めなくなる」傾向があります。これによって家族のコミュニケーションが良くなるという、思わぬ暮らしのメリットも得ることができます。サッシもトリプルガラスの断熱サッシを採用すると、冬期間に窓面で室内側の空気が冷やされることもなく冷気のダウンドラフトを感じることもありません。このような住宅は外部との遮音レベルも極めて高く快適にリラックスして過ごせる住環境づくりには欠かせない性能を有しています。

「高性能住宅化」とセットで「空気環境」アップもお勧め

高性能住宅化で空気環境改善のお勧め
断熱気密性能が高くなると換気不足が様々な障害を生じさせますので、法律でも換気設備が義務化されています。その中でも全館空調システムの採用がおすすめです。様々なフィルタで粉じんや花粉はもとより、ウィルスの除去効果もあるタイプもあり、年々性能は向上しています。換気については全熱交換タイプという換気の際の排気から熱を回収して吸気しますが、さらに湿度も交換して過乾燥を防ぐ、出来るだけ快適温湿度環境を保つタイプがおすすめです。また、住宅用の全館空調システムは部屋ごとに細かく温度設定ができないタイプが多く、出来てもラフな設定で、寝ている時間は室温をやや下げたいのですが、どうしても家中温度が均質化して寝苦しさを感じることがあります。少し値段は高いのですが高級ホテルのように部屋ごとに温度設定できるタイプもありますので、出来ればそういうタイプを選ぶことをお勧めします。24時間365日爽やかな空気環境で過ごして疲れを取り、有害物質を体内にできるだけ取り込まないようにしましょう。

住環境への投資はそれ以上のリターンが期待できる

住環境投資はそれ以上のリターンが期待
仕事のパフォーマンスを発揮するための投資ではありますが、四季を通じて快適環境の住宅では、家族との関係もストレスが少ない分だけ良くなるなど、家族の幸福度がアップします。また、何と言っても健康寿命を延ばすことに直結していますので、エクゼクティブとしてバリバリ仕事ができる期間を延ばすことができます。このように多くのメリットがありますので投資対効果は大きいと思います。

「Active Health Method」の運動の継続にも効果

アクティブヘルスケアの継続にも効果
住居内の温熱環境、さわやかな空気環境があることによって毎朝毎晩の軽快な運動も継続する環境としても、精神的にも整います。わずか10分間で効果的な「Active Health Method」の運動ですが、これを継続してこそさらに効果が上がりますので、住環境の改善と「Active Health Method」の継続を併せてお勧めします。
良い住環境と「Active Health Method」の運動効果で心身をすっきりさせて、見た目もアップさせる「メークアップ」で仕事への準備は万全です。

まとめ

33年間、仕事柄もあって「高気密高断熱高蓄熱容量」という高性能な住宅に住んでいる筆者は、常に「我が家は楽園」ですので心身ともに仕事での疲労からの回復には助かっています。「ブロック2重壁構造外断熱」という比重の高い構造で朝陽や夕陽が急に入光しても温度的に急に上昇せず、緩慢な上下に留まる蓄熱効果でいつも快適です。この構造に加えて外側アルミの木製トリプルガラスの採用で、遮音にも優れており外部からの音の侵入はほとんどなく、静かな環境でもあります。
筆者の体験から申し上げて「温熱環境と空気環境」の高性能な住宅はハイパフォーマンスな仕事をされる方々には強い味方だと思います。

 

《執筆者》
一般財団法人 日本ヘルスケア財団
代表理事 松尾俊朗
一級建築士

 
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