漸くコロナ禍が続く中でも社会経済活動を正常化する方向へ動き出しました。仕事もオンラインが多くなったこともあり、お家時間が長くなった2年間だったと思います。筆者もクライアントとのミーティングは現在出張によるリアル面談とオンライン面談が50:50といったところです。コロナ以前の100%出張によるリアル面談から、コロナ禍では最盛期(?)には180°転換して、100%オンライン面談、そして現在はその混在型に移行してきました。おそらくこの混在型のビジネススタイルは進化しながら筆者の仕事では定着すると思います。出張100%でもなくオンライン100%でもなくというビジネススタイルは数々の良い点はあるのですが、悪い点として仕事を中心とする生活リズムが作りにくいという欠点が目立ってきました。心身のリラックスと頭の切り替え、疲労回復(出張とオンラインでは疲れ方の種類が異なるようです)をどう進めるのかといった様々な問題が浮き彫りになってきました。仕事でハイパフォーマンスを発揮することを表とすれば、それを支える裏方といってもプライベート部分は「住宅内での暮らし」です。この住宅部分について順序立てて考えてみましょう。
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仕事でのハイパフォーマンス支える住宅のポイント-2
平日の仕事でハイパフォーマンスを発揮するためには帰宅後の「心身共に疲れを癒すこと」と翌朝の「フレッシュアップ」という心身の起動を上手くできるかがポイントです。これを実現する住宅の工夫すべき箇所はいくつもありますが代表的なものとして下記の5つを以前の記事で紹介し、筆者の天邪鬼な性格から5番目の寝室について取り上げていたと思います。今回は順序とおり1の「ストレスフリーのお帰り動線」について取り上げます。
- ストレスフリーのお帰り動線:帰宅時の一連の流れが本人スタイルの効率的な「一筆描き動線」で「動線の中に収納が組み込まれた機能空間」で構成されている設え。
- ダイニング:おいしい食事をよりおいしく楽しく演出するダイニングの設え。
- くつろぎタイムを過ごす場の設え:主としてリビング、あるいは書斎/ホビールーム。
- 風呂と洗面化粧室/エステルーム/トイレのなどの水回りに求める機能と設え。
- 寝室のタイプと設え:入眠から目覚めまでの快適睡眠プロセスを生み出す寝室の工夫。
等があります。
これらを紹介した以前の記事はこちら。
「ストレスフリーのお帰り動線」がなぜ仕事のハイパフォーマンスのつながるのか
住宅を創る際に注意することは数々ありますが仕事との関係では先ず、敷地内に入ってから玄関までのアプローチを出来るだけ「長く」とる設計をするように、と建築の師匠に言われたことがあります。「外の人(仕事の人)」から「内の人(家庭の人)」への切り替えが、ここを歩くわずかな時間で切り替えができるように設計すること。そのためには「アプローチ」が「長く」て玄関へ誘うような植栽やアプローチライトなどの工夫が重要で「家の内であって内ではない空間で切り換えられるように」がポイントです。実際の住宅設計を進めると中々それだけではないということが分かってきました。帰宅後のルーチンワークが煩わしく結構ストレスになっており、例えば靴を脱いで、サンダルに履き替えてシューズボックスへ靴を入れて、スーツを脱いで2階のクローゼットへ、カバンを置きに書斎へ、着替えて1階の洗面で手を洗ってうがいをして・・・行ったり来たり、上がったり下がったりと意外と非効率です。この一連の「作業」がストレスになっています。先ず、この「外の人から内の人」への切り替えを上手に行えるようにして「ストレスフリーのお帰り動線」にすると一気にストレスが緩和されます。できるだけ早くストレスが掛からず疲労を取ることができると翌日の仕事のハイパフォーマンスに繋がります。
改築・建替・新築で「ストレスフリーのお帰り動線」を実現する際の注意点
「お帰り動線」では個々の習慣化された「作法」というル―チーンもあると思いますが、基本的には「一筆書き動線」で「動線の中に収納が組み込まれている」のが最も使いやすいくストレスフリーと言われています。この
「一筆書き動線」で「動線の中に収納が組み込まれている」モデル住宅などで「体感体験」することで、どこを改良したいのかという、自身の「作法」を組み入れるポイントが明確になりより使いやすくなります。玄関ドアもキーを所持しているだけで解錠できるものなど便利になっていますが、玄関はシューズクロークとコートなどが、掛けられてウォークスルーできるタイプがおすすめです。ウィルスや花粉などを持ち込まないために玄関で空間は区画します。ウィルス対策でここに手洗い器を取り付ける方もいらっしゃいます。家の中にウィルスを持ち込んでいるのではないかと思うだけで「ストレス」なら取り付けましょう。このように基本的には「一筆書き動線」で「動線の中に収納が組み込まれている」のが最も使いやすいくストレスフリーと言われていますが、自分流や気がかりなことはすべて解消するというのが「ストレスフリーのお帰り動線」の基本的な考え方です。家に帰った直後にストレスを与えないという考え方です。また、「ストレスフリーのお出かけ動線」として逆の流れを確認します。朝食後に洗面で歯を磨き、2階には上がらず1階でスーツに着替えて(ウォークスルークローゼット)、全身鏡でチェックして、コートを着て、くつを履いて出かけるという流れが「ストレスフリーのお出かけ動線」としても成立しているのかをチェックします。
「ストレスフリーのお帰り動線とお出かけ動線」は仕事でのハイパフォーマンス支える住宅の前提条件
帰宅後に食事を摂り、リビングで寛ぐ、入浴するなどの日常のルーチンが個々にあると思いますが、書斎で仕事をするなどのストレスが掛かるものは出来るだけ時間的に前倒しで行い、就寝に向って入浴やリビングで寛ぐなど、リラックスできる時間を持つようにします。ストレスの掛かる家庭内で行うことと「リラックス系」の切り替え時のタイミングで「Active Health Method」で軽い運動やストレッチを行うのも効果的です。ストーリー性のある心身のリラックスを組み立てることで、明日のパフォーマンス発揮の準備を進めるようにします。
「Active Health Method」を生活習慣の中に組み込む
短い時間で有効にパフォーマンスを上げる理論に裏付けられた効率の良い「運動」と「ストレッチ」で筋肉に適度な負荷をかけ、関節可動域を拡げましょう。肩こり腰痛対策として適度な運動を日常の生活の組み込んでおかないといつの間にか蓄積してきます。心身の目覚めと切り替えというリフレッシュを常に意識する必要があります。朝の起き抜けに10分間、昼休みに10分間、夕方に10分間、終業後から寝るまでの間の時間帯で10分間の4回程度は「Active Health Method」の運動を動画のインストラクターに合わせて体を動かしましょう。
「Active Health Method」の運動は省時間、省スペース
エクゼクティブ、NEXTエクゼクティブは仕事で高負荷が掛かり続けます。仕事の合間の隙間の時間で「Active Health Method」の10分間の運動で体を少し動かすと思いの外回復し、常にMaxパフォーマンスを発揮できます。「Active Health Method」の運動をするためのスペースはタタミ1畳分でOKです。省時間と省スペースですから忙しいエクゼクティブ、NEXTエクゼクティブの方々に最適です。仕事場と家庭内に運動用のマットレスを用意しておきましょう。
ジェンダーレスの時代では男性も化粧で自分らしく心理的なパフォーマンスアップを
ジェンダーレスの時代は男性も化粧を積極的に活用することができる時代です。「自分がなりたい自分に」をメークで創り気持ちのゆとりを持ってビジネスステージを積極的に乗り切りましょう。常に周りにオーラを伝えるには「見た目の印象」は重要です。男性のエクゼクティブ、NEXTエクゼクティブの方々もまずは試しにメイクアップにチャレンジしてみましょう。
まとめ
コロナ禍も社会経済活動との並走段階に入り生活様式も変わり、働き方が進化する中、在宅オンライン勤務でも、対面での仕事でもMaxパフォーマンスの発揮が求められます。その環境づくりの一環として住宅環境も「ストレスフリーのお帰り動線」の改善も含めて進めていただきたいと思います。そして「心身の健康と見た目の印象」を確実に向上させて常にMaxパフォーマンスを発揮できるように「Active Health Method」の運動で隙間の時間とスペースを有効に活用してください。そして男性のエクゼクティブ、NEXTエクゼクティブの方々も化粧にもチャレンジして「見た目でも圧倒するパフォーマンス」を発揮して仕事を優位に進めましょう。
《執筆者》
一般財団法人 日本ヘルスケア財団
代表理事 松尾俊朗
一級建築士